長く続いた新型コロナウイルス感染症が第5類に移行し、ようやく明るい兆しが見えてきた中で、地政学的な紛争やそれに伴うサプライチェーンの混乱、円安進行による物価高騰が企業経営に大きな影響を与えています。一方、働き方改革や賃上げ要請など経営環境や、ChatGPTをはじめとした新たなAI技術の開発・活用が進められる中で、各企業は競争優位性を確保するための対応や変革が求められています。
そこで、当工業会もデジタル時代を生きる我われに共通する「デジタル化対応」という経営課題を真正面に据えて挑戦する、それに合わせて当工業会の活動もアップデートしていかなければならないとの思いから、新たな基本方針として「地域の持続可能な発展に貢献する ~デジタル時代のものづくり再興~」を掲げ、デジタル時代に対応したものづくりを推進し、産業界や地域社会の持続可能な発展に貢献していきたいと考えております。
また3つの活動方針として、「少子高齢化時代に対応した人材の育成・確保」、「競争力強化、収益性向上、顧客ニーズ対応に向けたDXの推進」、「カーボンニュートラル実現に向けてのCO₂削減やSDGsへの対応」へと、これまでの方針を一歩進め、強力に展開させたいと考えております。
今なお国際情勢の不安定から原材料やエネルギーの高騰など、会員企業の皆様には厳しい環境が続いておりますが、新たな基本方針のもと、地域の持続可能な発展に貢献すべく取り組みを積極的に展開していくと共に、「チーム機電」として各委員会活動や会員企業間の連携はもちろん、産学官との更なる連携も図り、「チーム富山」が一体となって活動の活性化を図っていく所存ですので、皆様方の変わらぬご支援を賜りますことをお願い申し上げます。
2024年6月
一般社団法人 富山県機電工業会
会 長 水口 勝史